村山涼一さんの『パワーコンセプトの技術』を読みました。【書評】

パワーコンセプトの技術

どうも、Joy@そろ勉です。
コンセプトについての本を調べていて行き当たったのが本書、マーケティングプランナーで、山形大学客員教授、ボンド大学MBA講師も務めた村山涼一さんの『パワーコンセプトの技術』です。

本書の帯には「必要なのは才能より技術!!」と書かれているだけに、本書では、コンセプトの作り方を、誰でも再現可能なノウハウに落とし込んで「学習可能なスキル」として提示されています。

ソシュールの記号論を引用して説明をはじめる辺りが、ツボでした。良いコンセプト(=パワーコンセプト)について非常に明快に説明されていて、「コンセプトとは何か」について、かなりクリアになりました。

本書で書かれているコンセプトとは何か?

本書では、パーセプション(知覚)の変容を起こさせるようなメッセージのことを「コンセプト」と呼び、このパーセプションの変容を起こさせるには、対象カテゴリーには存在しない、新しい観点で切り取ることが必要だといいます。そして、「心的躍動感」を意識的に作り出すことで、消費者のパーセプションを変えることができると説明されています。

例えば、プロポーズを例にして考えてみたいと思います。プロポーズとは「結婚して欲しい」というメッセージを伝えることです。ここで、「結構してください!」と口に出して言う場合、これは決めて直接的な表現であるためパーセプションの変容はありません。ここで、「500万円のダイヤモンドの指輪を黙って渡す」という行動を取った場合には、「結婚して欲しい」というメッセージを大きく変容させています。これがストレートに「結婚しよう」と言う場合に比べて「心的躍動感」を与えるため、コンセプチュアルであるといえるのです。

本書では、あらゆるヒット商品の「ヒット要因」を分析し、どのようにパーセプションの変容を作り出しているのか、微細に検討を加えているため、事例集としても学ぶ所が多いです。

村山さんの提唱する「セラピー発想法」と「レトリック発想法」を使えば、閃きに頼らなくとも、ステップバイステップで「パワーコンセプト」を作り出すことが出来てしまいそうです。

あなたが商品開発に従事されているのであればもちろん、そうでない場合にも一読の価値があります。

パワーコンセプトの技術

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