どうも、Joy@そろ勉です。
本日ご紹介する一冊は、宗教人類学者・植島啓司さんの『「頭がよい」って何だろう―名作パズル、ひらめきクイズで探る』です。IQテストやパズルを紹介しながら、「頭がよい」ということに対する考察を深める示唆に富んだ一冊です。
天才と呼ばれる人のIQ
「あの人は、頭がいい」とか「あの人は、頭が悪い」とか日常的によく使われますが、この「頭がいい」という基準は何を持って定まるのか?
「頭がよい」ことと「勉強ができる」ことは必ずしもイコールではないことは何となく分かっていますが、本当の意味で「頭がよい」とはどういうことなのか?
そんな疑問を名作パズルを紹介しながら、人類史上の天才たちのエピソードを交え、エッセイ調の文体で解明していきます。
かなり難解なIQテストの解き方が分かるので、この本を読んでからIQテストを受けたら、間違いなく得点アップしますね。
本書で紹介されている、1985年度版のギネスブックに登録されている“世界一知能の高い女性”、マリリンさんというアメリカ人のIQは、なんと230!
一般に、IQ150から160で天才と言われるので、230という数字がいかに驚異的な数値か分かると思います。(なお、レオナルド・ダ・ヴィンチのIQは135、カントも135、ヘーゲルとアインシュタインは150、ライプニッツで185だと言われています。)
天才が語る、天才になる秘訣とは?
このIQ230の天才・マリリンさんの語る知能上達法が興味深いです。それは、
物事を書き留めたり、計算機を使ったりせず、頭の中で処理せよ。なんでも断定せず、柔軟な心を保とう。断定することは、学ぶことをやめることを意味する。成就したいことがあれば、すべて自分で行動せよ。
なんとも含蓄のある言葉です。忘れないように壁にでも貼っておきたいくらいです。
ちなみに、マリリンさんの睡眠時間は一日4時間程度だそうです。
また、『頭の体操』シリーズで有名な多湖輝さんによれば、
創造力豊かな人たちのあいだには、たしかに一つの共通点が認められる。それは、彼らがパズル、推理小説、奇術、落語、漫才という一連の頭脳的遊戯に対して、大いに興味を示すという点である。
とのこと。
これまた、示唆に富んだ指摘で参考になります。
IQが高いと幸せになれるのか?
しかし、IQが高くても幸せな人生を送れるとは限りません。本書では、24歳でコンピューターの基本モデルと理論を作り出したアラン・チューリングの事例が紹介されています。彼の場合は時代が悪かったんだと思いますが、ホモセクシュアルの罪で逮捕され、42歳で自殺しています。
こういった不遇の天才の話を聞くと、マルコム・グラッドウェル著、『天才!』で紹介されていた、クリス・ランガンのエピソードを思い出します。
ランガンは、IQ195という驚異の天才であるにも関わらず、不遇の人生を送ります。マルコム・グラッドウェルの分析では、ランガンに欠けていたものは、生育環境により訓練される”権利意識”だったと結論づけられています。
『天才!』は、めちゃくちゃ面白い本なのでぜひ読んでみてください。
個人的には、水平思考のようなものを鍛えていくと、いわゆる「頭がよい」人になれるんじゃないかなと思いました。
頭がよくなりたい方は、ぜひ読んでみてください。
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