佐野眞一著『あんぽん 孫正義伝』から「天才教育」を学ぶ。

孫正義伝記あんぽん

今日の一冊は、ノンフィクション作家の佐野眞一氏にる『あんぽん 孫正義伝』です。三世代を遡って孫正義のルーツを追った衝撃のノンフィクションです。孫正義の出自を知ることができるという点でとても有意義な本です。

タイトル『あんぽん』に込められた意味

『あんぽん』というタイトルの意味分かりますか?
孫正義が在日韓国人であることは有名ですが、孫家の日本名を「安本(やすもと)」というのです。それを音読みして「あんぽん」と呼ばれていて、孫さんはそれがすごく嫌だったらしいのですね。のちに日本に帰化するときに「安本」から韓国姓の「孫」に変えています。

本書は、孫正義の育った環境について、朝鮮部落の豚の糞尿と密造酒の強烈な匂いが漂ってきそうな迫力ある筆致で描かれています。朝鮮部落のアングラな世界で育った孫正義のエピソードを如実に著す記述が強烈です。

「大竹仁鉄(孫正義のいとこ)によれば、孫正義は朝鮮部落のウンコ臭い水があふれる掘っ立て小屋の中で、膝まで水に浸かりながら、必死で勉強していたという。並みの根性でできることではない。この根性が、叩かれても叩かれてもへこたれない孫正義の強さの秘密である。と同時に、そのど根性は、人を辟易させる理由ともなっている。辟易させるといえばきれいな言い方だが、もっとストレートに表現すれば、それが孫正義という男をうさんくさい人物に見せる大きな理由になっている。」(p33)

この本の半分くらいは孫さんの父親の安本三憲氏に関する記述が占めているのですが、このお父さんの強烈なパーソナリティが衝撃的です。親戚も破天荒な人ばかり(おじさんが元ヤクザとか)で、そういった中で育つと逆に吹っ切れて、孫さんのような「底抜けに明るく真っすぐで芯の強い人間」が育つのかなと思いました。そのあたりが、著者の佐野さんにとってはうさん臭く感じるようですが・・。

著者がこの本を書いた動機について、「孫正義の持つ”うさんくささ”の根源を暴く」みたいなことを冒頭に書いていて、はじめは意味が分からず「へ?」って思いました。著者の「孫ってうさんくさいよね?」「ね?そう思うでしょ?」と言わんばかりの押し付けがましい記述が繰り返され、最初はちょっと辟易してしまいました。しかし、読み進めて行くうちに団塊の世代の著者が感じる「孫正義のうさんくささ」も分かるような気がしました。そして、そのうさんくささの正体は、著者が抱く、孫さんに対しての「嫉妬」であったとも告白されています。

佐野眞一さんの持論や世界観にはそれほど賛同できないのですが、佐野眞一さんの執念の取材に基づく記述は非常に読み応えがありました。読み物として単純に面白く、秀逸のノンフィクションだと思います。

孫正義を育てた天才教育とは?

そろ勉ブログ的には、孫さんの父親・安本三憲氏が「どうやって異能・孫正義を育てたか」という「天才教育」に関する記述が興味深いです。

三憲氏は、「マインドコントロール」のように、「お前は天才だ」と繰り返し言い聞かせるようにして孫正義を育てたらしいです。また、中学生にして一晩中、商売の話を戦わせたりと、子供扱いしないで接していたようです。また、父親が海千山千の商売人だったという生育環境も大きいでしょうね。平凡なサラリーマン家庭からは孫正義のような人間は育たなかったはずです。

・孫正義に対する「その揺るぎない自信はどこから来るのか?」という質問に対して、孫の回答。
「親父が、際限のないレベルで僕を褒めたからでしょうね。『お前は俺より頭がいい』って。僕は親父に怒られたことが一度もないんです。」

・わざと答えようがない質問をして、思考力を鍛えたエピソード(p143~)

また、81ページからのエピソードも興味深いです。中学3年時の孫正義の成績はクラスでも中くらいで、それほど優秀でもなかったようです。しかし、どうしても成績を上げたかった孫さんは、クラスで1番の生徒に「どうすれば成績が上がるか?」と聞いているのです。結果を出している人に素直に訊くという姿勢が一点。そして「それなら森田塾に通えばいい」とアドバイスをされるも、塾の選抜試験で落とされているのです。普通ならここで諦めてしまうところですが、孫さんは、なんとコネを使ってでも塾に潜り込もうと画策し、見事に思い通りの結果を得ることに成功しています。スティーブ・ジョブズの「現実歪曲フィールド」ではないですが、孫正義にも子供のときから何が何でも欲しい結果を実現させてしまう執念があったのです。

大学在学時の孫さんの言葉です。揺るぎない信念を感じます。
「お母さん、ぼくには何の財産も残さなくていいよ。ぼくは何もいらない。その代わり、勉強の面倒だけは見てください。そのための世話だけはしてください。たとえ借金してでも、勉強だけはつづけさせてください。いつか、必ずお金持ちになって恩返しします。かばんにたくさんのお金をつめて、お母さんに持ってきてあげるから」(p343)

ビジネス面のエピソードを知りたいなら

本書はビジネス面の記述が少ないので、起業家・孫正義の快進撃のストーリーを読みたいなら『志高く 孫正義正伝』がお薦めです。

孫さんの出自を知ることや、泥臭い文学性を求めるなら、本書『あんぽん』を併せて読んでみると良いです。

しかし、孫正義関連で僕が一番のオススメするのは、孫さんが28歳のときに行われた講演が収録された音声CD、『孫正義のシェアNo.1獲得戦略』です。やはり肉声で語られるストーリーは段違いの説得力があります。このCD、一時期擦り切れるほど聞いてました。興味のある方はぜひ聴いてみてください。

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